06月04日12:00

【BOOK】青山文平さん「『銀色の鯵』を書くために小説のプロットは立てない」

直木賞受賞第1作『機織る武家』を含む中篇3本の作品集。ただし表題作「遠縁の女」が代表的だが、ストーリー展開は時代小説の定型とはいささか異なっている。主人公は武家社会が曲がり角にきた江戸中後期を必死に生きる小禄の武家とその家族。著者言うところの「銀色の鯵」たちである。 (文・清丸惠三郎 写真・佐藤徳昭)

−−この作品集ができたきっかけは

「直木賞に選ばれると、受賞第1作は『オール讀物』に載せ、1冊の本にするには短篇6本をまとめる必要がある。私は短篇1本に3カ月はかけるので、かかり切りでも1年半かかってしまう。で、3本で単行本になるよう、中篇で書かせていただくことになり、それをまとめたわけです」

−−ストーリー展開が時代小説の定型を常に裏切ります

「私はプロットを立てない書き手なんですね。なので、本作のひとつ『沼尻新田』の『すみ』のような、自分でも思ってもみなかったヒロインが現れたりするし、自分ですらびっくりするような展開になるんです」

−−プロットを作らないのはなぜですか

「『銀色の鯵を書きたい』というところに行き着くのかもしれません。魚屋に並べられている死んだ青い鯵ではなく、海を泳いでいる銀色の鯵、つまり生身の人間を書きたい。時代と格闘しながら、それぞれの人生を必死に生きている普通の人間を描きたいということです。ですから、自分の頭のなかで、登場人物を造りたくない。枠をはめたくない。彼らが、書き手である私でさえ思いもかけない方向に生命力を持って、動いていって、物語世界を創っていくようにしたいのです」
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